「見るのも嫌」

プリシラからゲームまで:ドーナツレター2月号
ねじまき 2023.02.19
誰でも

どうも、ねじまきです。1・2月も色々ありましたが、
なんとか乗りこえていきましょう。

印象に残ったニュース

ねじまきの個人的に印象に残ったニュースを紹介するコーナー。

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不安を感じる理由として、いちばん多かった回答が、「周囲に自分の在り方を理解されないこと」。冒頭でも述べたように、Aro/Aceという言葉を一般的に耳にすることがあまりない中、「理解されないこと」が不安を感じるいちばんの要素となるのは、当然のことのように感じる。

とにかく可視化されてすらいないアロマンティックやアセクシュアル。

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当事者の声に少しでも耳を傾ける人がいてくれればいいなと。

ルール(制度)とリアル(実生活)がちぐはぐになりすぎた結果生まれている生きづらさ、これを政治が変えずに誰が変えるのでしょうか? ぜひ「雰囲気」によって左右されず「現実」に思いを巡らせて判断していただきたいと思います
岸田首相の発言の前提に置かれている「変わってしまっては困る社会」自体が既に実体のない虚像であって、社会を構成する多種多様な人々への配慮と想像力に欠けたお言葉であったと感じると共に、現代を生きる一地球市民として悲しく思いました
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TRPというお祭りに乗るだけのっておいて、
こういう時に限って何もアクションを起こさない企業がある中、
ちゃんと声明を出してくれるところもあるという話。

(2022年主催のチェリオも、京都の企業として応援してたんだけどなぁ)

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ひとりはセネガルのサバールというお祭りで、女性の格好をして女性的な動きで人々を魅了する男性、サンバ・アワ・ニャング。彼は、人々から同性愛者だと認識されているにもかかわらず、例外的に罰も受けずに見逃されています。その理由を、サンバ・アワは「自分が人々を楽しませている間だけは、自分が殺されることはないが、自分の魅力がなくなれば私も他の同性愛者と同じように殺される」と語ります。

彼らが生き延びるために「世間から受け入れられる」人物であろうとする描写を読み、マジョリティを楽しませたり、彼らにとって役に立つような同性愛者だけが許されている状況は、日本にも通ずると思いました。日本でも、テレビで視聴者を楽しませたり、自分たちの役に立つ存在としての「同性愛者」は許容する一方で、実生活での差別は止まらず、権利運動となるととたんに厄介者扱いされてしまいます。

ゲイだからおしゃれで話がうまくて、ということは決してなく、
これから日本でも可視化されることで自分も辛くなる部分も出てくるんだろうなぁと。

同性愛者にも異性愛者と同じく、いろんな人がいるということを理解してほしいなと。

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先進国ってもはや何?と言いたくなるけれども、
この辺政治家さんはどう捉えているんでしょうか。

Wikipediaの「G7」にはこんな定義が紹介されていました。
「最も裕福な自由民主主義国であり、グループは多元主義と代議制政府という共通の価値観に基づいて公式に組織されている」と。
また日本の外務省はG7について「その時々の国際社会における重要な課題について、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有する」と形容しています。選択的夫婦別姓や同性婚を頑迷に認めようとしない日本の現状は、ぜんぜん多元主義じゃないじゃん。自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有してないじゃん。  

オリンピックという外圧のある場でも全然変わらなかったので期待はしてないですが、
G7でも変わらないなら、どこで見直されるんだろうか・・・。

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今月の一曲

『Finally / Cece Peniston』

ドラァグ映画の古典ともいえる『プリシラ』ようやく見れました。
その中でも特に印象に残ったショーのシーン、これだけでもいいから見てほしい!

「我々には都会しかないのよ...」
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今月の一冊

ゲームという視点から、世界の様々な論点を紐解いていく一冊。

『ウィッチャー3』関連のLGBTQ+にも触れていたり。

本来、「魔女」は女性だが、ウィッチャーたちは男性であるというジェンダー的な捻りがある。これ は、トランスや、クィアの寓話であるとも読みうるだろう。
彼らは突然変異なので、 社会的に疎まれており、魔女たちのネットワークの仲間にも入れてない。
養女のシリは、女性にして戦士であるウィッチャーになるという、ジェンダー上の通 念をもう一捻りしているが、これは性別やジェンダーによる差別や偏見の問題を扱おうとしたからであろう。
彼らは二項対立による分類を超える存在なのだ。

陰謀論、分断、叛乱、新自由主義、家族といった重要なテーマをまとめていて、
ゲーム好きの方なら読んで損はないはず。
(任天堂系のゲームが少なかったのがちょっと残念かも?)

今はアーシュラ・K・ル・グィンの代表作『闇の左手』を読んでます.
特定のサイクルで性別が変わる惑星人が出てきたり、
まだまだ途中ですが、SFってやっぱりすごい。また紹介したいなと。

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印象に残ったツイート

個人的に印象に残ったツイートをまとめたコーナー。

貴田 守亮
@kida_moriaki
LGBT+の権利を認めたら国外に人が流出する、という意味は何度考えても解らない。G7もそれ以外の先進国では権利が認められている国の方が多くなっている。日本を捨ててLGBT+の権利が認められていないどの国へ移ろうというのか。当事者で子供を持ったり結婚をするために日本から出ている人がいるのに。
2023/02/06 23:07
2Retweet 20Likes

とんこつたろう
@tonkotsu_0707
TRP、そろそろコメントあるでしょうと静観していたけど流石にこういう時に何の表明もないのって「プライド」のフリーライド過ぎない?
2023/02/07 02:58
97Retweet 368Likes

伊藤 まり|副編集長
@mariiknst
同性婚が実現すればそれは家族観は変わるでしょうが、それで困るのは従来の家族観(家父長制)によって利益を得てきた人たちだというとこをちゃんと言わないと。「社会の雰囲気」と誤魔化さずに、ちゃんと「家父長制で特権を得てきたシスヘテ年長男性の自分たち」って言ってくれないと話通じないよね。
2023/02/02 02:45
3460Retweet 10563Likes

本ノ猪
@honnoinosisi555
「一般に、差別する側はほとんどつねにその差別に関して無意識である。しかし差別される側にとっては、その無意識こそ、こちらでは強烈に意識せざるをえない壁であり、胸もとにつきつけられた刃であり、恐ろしいリアリティーである。」(坂口ふみ『〈個〉の誕生』岩波現代文庫、P6)
2023/01/16 22:06
120Retweet 548Likes

藤坂ガルシア千鶴 Chizuru Fujisaka de García
@chizurufgarcia
スタンドで起きた暴動により無観客試合の処分を下されていたブラジルのコリチーバが「女性と12歳以下の子どものみ」を条件にサポーターの入場を許された結果がこれ。9000人近い女性&子どもたちの熱烈な応援が素晴らしい。暴動が絶えないアルゼンチンでも真似できないかしら。
2023/01/17 00:49
2482Retweet 9763Likes

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「When they go low, we go high.
(相手が低俗にふるまったときこそ、気高くいきましょう)」/ ミシェル・オバマ
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🍩あとがき🍩

「同性婚、見るのも嫌」発言から色々ありすぎて
どれから振り返るべきかいまいちまとまらず、配信が遅くなりました。

2月も終わりかけてますが、近いうちに
「2022年のLGBTQ+なニュース振り返り回」も配信するつもり。

もうひとつのニュースレターねじまき通信も月末に配信中。
気になったニュースや音楽、芸術、おすすめツイートなどを紹介してます。

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